患者様からのお手紙
東京都 80歳代 男性からのお手紙
この度は、本当に大切な角膜をご提供くださいまして、心より厚く御礼申し上げます。無事移植手術が終わり、1か月半経過となりましたが、定期健診で、とても良好ですと先生におっしゃっていただいております。
思えば、1年半ほど前に、左眼の「水疱性角膜症」と診断され、治療に専念しておりましたが、好転せず、先生より移植手術を薦めていただき、待機患者登録をさせていただきました。本当に移植手術を受けられる機会が来るのか、とても心配と不安がありました。正直、毎日電話が鳴るたび「もしかして」とドキドキしながら連絡を待ち続けました。本当に「その日」は来ました。不安がありましたが、それ以上に希望の方が大きく、周囲の人たちにも大変喜んでいただき、皆が手術の成功を望んでくださいました。
退院してからの日常生活は、先生の指示を忠実に守り、清潔、点眼、睡眠と休養を第一として、大事な角膜に負担をかけないように過ごしています。まだまだこれから先があります。3か月、半年、1年後、2年後と順調に角膜が光を与えてくださるよう、治療に専念したいと思っております。
ご提供者様、またそのご家族の皆様、本当にありがとうございました。お陰様で、かけがえのない人生を過ごさせていただいております。温かいご支援に心から感謝申し上げます。ありがとうございました。
埼玉県 40歳代 男性からのお手紙
私の人生に希望の光が生まれました
この度は、貴重な角膜を提供いただきありがとうございました。お会いして、お礼を伝えることができずにすみません。
これまで、緑内障の影響で、左眼の視野がほとんどなくなり、右眼も多少の視野が残る程度でした。しかし、この視野が残った右目も数回の手術の影響からか、角膜が白濁してしまい、ほとんど視力がなくなってしまいました。
私は、現在、盲学校の専攻科で鍼灸師を目指して訓練と勉強をしています。しかし、鍼灸の実技訓練及び座学の勉強に際して、大変苦労していました。例えば、文字を拡大して読む拡大読書器を利用しても教科書を読むことができず、音声となれない点字を頼りに勉強をしていました。さらに、鍼の実技訓練でも鍼を刺す部位の確認や刺入を手の感覚のみを頼りにする必要がありました。
今回、角膜をご提供いただいたおかげで、拡大読書器を利用して、教科書や参考書を読むことができるようになりました。鍼の実技でもこれまでの手の間隔に加え、見ることができるので、より確実に刺入部位の確認ができ、安全に鍼を刺すことができるようになりました。
日常生活の困難も大きく解消され、これからの人生に希望が出てきました。いただいた角膜を大事にし、これからも一緒にいろいろなものを見ていきます。最後になりましたが、本当にありがとうございました。
東京都 60歳代 男性からのお手紙
感謝して生きております。
2月後半に角膜移植手術を受けられます、というご連絡をアイバンクからいただきました。さかのぼること1年半ほど前から列に並んでおりました。その列は、以前では考えることも、先生から助言いただくこともなかった角膜移植手術の列でした。久しぶりに訪れた際に、先生たちが奨めてくださったのでした。
手術から、既に2か月以上の月日が経過しました。手術に臨むにあたって、高い志をお持ちになりながら、この世を去られた、皆様の大切なご家族のことを私なりにお祈りさせていただきました。そのお志を無駄にすることがないように、先生たちの言いつけをしっかりと守ってケアしていくぞと新しい人生を踏み出すつもりと心に決めました。
お陰様で、経過は順調と伺っております。10数年来見ることのできなかった自分の5本の指を、そのいただいた角膜を通してみることができます。今はまだ、術後の乱視の強制のため、眼の中の糸の調整を先生が施されますが、いずれそれも終わることでしょう。
頂いた眼を大切にし、これまではあきらめていたことに挑んで参ります。いくばくかでも、私もこの世の中に生きる同胞のお役にたてるよう努めてまいる所存です。
お姿は知りようがなくても、そのお志に感謝と敬意を払いつつ、思い出しては祈り、自分の生き方をただし生きて参ります所存です。